みなさんどうもこんにちは。
元介護士で、現役ソーシャルワーカー×心理師の「てんぱまる@tenpa_mal」です。
- 転職で失敗したくない
- 転職で後悔した経験がある
- 何度も転職を繰り返している
- 異業種からの転職で、福祉・介護職の理解が浅い
- 転職したいが、どうしたらよいか分からない
このような悩みを抱えている方は多いはず。
この記事では、福祉・介護職の転職で失敗・後悔しないための行動について、失敗事例を交えながら解説していきます。
失敗事例には、多くの学びがあります。
ぜひ実践に移し、転職を成功させましょう。
【結論】最優先でキャリアデザイン設計し、学び・資格取得・転職エージェントの活用を実践しよう
結論からお伝えすると、福祉・介護職の転職で失敗・後悔しないための行動は下記の4つです。
4つのうちどれか1つを実践することにより、転職で失敗・後悔する可能性を減らすことができます。
ただし、失敗・後悔を限りなくゼロにするためには、「キャリアデザインを設計すること」を最優先で行うべきです。
>>キャリアデザインってなに?福祉・介護職にキャリアデザインが必要な理由4選と手順
転職で失敗・後悔したと感じる場面
転職で失敗・後悔しないための行動を実践するためには、「どのような時に失敗・後悔したと感じるのか?」について、理解しておく必要があります。
場面を理解することは、福祉・介護業界の特徴をしっかりと把握することにも繋がります。
転職で失敗・後悔したと感じる場面は、下記の7つが挙げられます。
1.人員不足で忙しい
福祉・介護業界は慢性的な人員不足です。
特に施設系サービスの介護職は日勤・早番・遅番・夜勤と変則勤務(24時間体制)であるため、人員不足の影響を大きく受けます。
人員が十分に確保できていない施設の場合、「早番の勤務であるにも関わらず、遅番の時間まで働く」などの残業が多く発生します。
さらに人員が足りない施設では、「希望休や有給を十分に取得することができない」ということがあります。
休養が取れないことで心身の不調を来たし、離職に繋がります。
2.体力的につらい
介護職として身体介護を行うには、ある程度の体力が必要です。
特に利用者の移乗介助(車椅子〜ベッド間)や中腰の状態で行う排泄介助(おむつ交換)などは、腰痛を引き起こす要因となります。
「介護の仕事を続けたい」と思っても、腰痛の悪化など体力的な問題により、離職する方が多くいます。
3.精神的につらい
福祉・介護職は、感情労働です。
利用者の感情を受け入れ、共感することが求められます。
利用者のケア(身体介護)を行う介護職以上に、精神的なストレスを抱えやすいのが、生活相談員・ケアマネジャーのような相談援助職です。
家族・多職種・各関係機関との架け橋となるなかで、「どちらの利益を優先すべきか」「どれも重要で、どうしたらよいだろうか」と思い悩み、葛藤する場面が多いことから、精神的なストレスを抱えたり、心の病気を発症することがあります。
4.教育体制が整っていない
教育体制が整っていなければ仕事がうまくいかず、早期退職に繋がります。
特に介護職未経験者や経験が浅い方の場合、施設・事業所における教育体制の重要性は、とても大きくなります。
福祉・介護業界は「未経験者歓迎」の求人が多くあるなかで、十分な研修が受けられない施設・事業所も存在します。
きちんとした指導がなければ、介護の知識・スキルアップも望めません。
その結果、仕事がうまくいかずに自信を失い、離職に繋がってしまいます。
「人員不足」→「教育体制が整わない」→「離職」→「人員不足」といった負のスパイラルに陥っている施設・事業所への転職だけは避けたいところです。
5.職場・職種・仕事内容が事前に示されたものと異なる
職場・職種・仕事内容が、事前に求人票や面接で示されたものと異なる場合があります。
「デイサービスの職員として入職したのに、施設の職員として配置された」「入浴介助ばかりで、他の仕事を任せてくれない」「生活相談員として入職したのに、ケア(身体介護)の仕事にかかる比率が多い」などといったケースがあります。
福祉・介護職は、職場(施設・事業所の種類)や職種によって、仕事の内容は大きく異なるため、注意が必要です。
デイサービスと施設では、「関わる利用者層や勤務形態」に違いが出ます。
また介護職員と生活相談員では、「ケア(身体介護)とソーシャルワーク(相談援助)のどちらを主な仕事として捉えるのか」という点で違いがあります。
自分の想像していた職場・職種・仕事内容と実際が大きく異なるケースは、早期離職の原因となります。
6.待遇面が事前に示されたものと異なる
「給与」「賞与」「手当」「役職・地位」「勤務時間」などの待遇面が、事前に求人票や面接で示されたものと異なる場合があります。
「給与の額が違った」「ボーナスが支払われない」「手当がつかない」というトラブルは、転職が失敗に終わる大きな原因です。
「介護主任(管理職)として出迎えると言われたのに、他の職員と変わらなかった」「経験が浅いにも関わらず、リーダー職を任された」というようなケースは、仕事に対するモチベーションにネガティブな影響があります。
また、入職前に知らされた勤務体制と実際の働き方が異なる例もあり、「早番・夜勤などの変則勤務を強要された」と悩む方もいます。
7.人間関係の悪化
福祉・介護職の離職原因で最も多いのが、職場内の人間関係です。
福祉・介護の仕事自体にやりがいを感じていていながらも、人間関係の悪化によるストレスで離職する方は多くいます。
人間関係の悩みには「派閥に居心地の悪さを感じる」「世代による対立に嫌気が差した」といったケースがあります。
また「他職種との関係性が悪い」「指導者や上司との関係性がうまく構築できない」というケースも多く聞かれます。
転職で後悔・失敗する人によくある事例
では続いて、転職で後悔・失敗する人によくある事例について、解説していきます。
事例は下記の6つです。
1.勤務地(通勤距離・立地条件)だけで選んでしまう
「自宅から近いから」「子どもの送迎途中にあるから」などといった、通勤距離や立地条件だけで職場を選ぶのは、おすすめできません。
特に複数の事業所を運営するような大きな法人では、他施設・事業所へ異動する可能性が高くなるため、注意が必要です。
通勤に時間を要さないのは、プライベートを充実させるうえでも、とても大きなメリットです。
ただし、勤務地(通院距離・立地条件)に大きな比重を置きすぎてしまうと、職場が変わっただけで「働けない」「働きたくない」という状況になってしまいます。
2.仕事内容だけで選んでしまう
「仕事が楽そうだから」「夜勤が嫌だから」などというように、仕事の内容だけを重視するのは、リスクがあります。
「誰でもできる仕事」「楽な仕事」ということは、給与もそれに見合ったものしか支払われません。
また仕事内容は、求人票や面接で確認できるもの以外にも、施設・事業所の実情に合わせて変化するものです。
仕事内容だけで選んでしまうと、自分の仕事内容が変化した際に「できない」「やりたくない」「やる必要はない」といったネガティブな気持ちに陥りがちとなります。
3.給与条件だけで選んでしまう
給与だけを重視して職場を選ぶのは、失敗のもとです。
「少しでも給与の良いところで働きたい」と考えるのは、とても自然なこと。
しかし、高収入であっても「残業が多くて休めない職場」「仕事内容が自分の気質・性格と合わない職場」で長く働くのは、とても難しいでしょう。
「給与+α」の思考が大切となります。
4.職場の種類や特徴について理解を深めず選んでしまう
未経験者や経験が浅い方に多いのが、職場の種類と特徴について理解を深めず転職してしまう事例です。
福祉・介護職として働ける職場には、「特別養護老人ホーム」「グループホーム」「デイサービス」など様々な種類があります。
職場の種類や特徴について理解を深めずに転職すると、「より自分に合った職場がある」と気づけないまま働くことになります。
5.職種や資格について理解を深めず選んでしまう
福祉・介護職の「職種や資格」について理解を深めず、漠然としたまま転職する事例があります。
「介護職員」「介護士」「サービス提供責任者」「生活相談員」「ケアマネジャー」「社会福祉士」など、様々な職種や資格があります。
また、資格がなければできない職種・仕事内容も存在します。
職種や資格について理解を深めずに転職すると、「自分の目指す仕事」と「施設・事業所が求めている仕事」に違いが生まれ、早期退職の原因となります。
6.自分自身の目指す働き方や価値観がわからない
「給与」「仕事内容」「人間関係」など、自分自身が転職するうえで大切にしたい基準が明確になっていないと、転職に失敗しやすいでしょう。
転職先に求めることや優先順位は人それぞれ異なります。
自分の目指す働き方や価値観がわからないままであれば、転職しても失敗するリスクが高まります。
「なんとなく合わないから転職」では、いつまでたっても長く働くことはできません。
福祉・介護職の転職で失敗しないための行動
いよいよここからは、本題である福祉・介護職の転職で失敗しないための行動について、詳しく解説していきます。
1.キャリアデザインを設計する
わたしの考える「キャリアデザイン」とは、「自分自身の理想とする働き方(生き方)を主体的・自律的に設計すること」です。
法人・施設・事業所・上司などにキャリアを決められるのではなく、あくまでも自分自身で主体的・自律的に考え、設計することを意味します。
さらに言えば、「職業」「職種」「役職」「資格」「給与」などの仕事に関することだけではなく、価値観やライフスタイルなどを含め、もっと広く捉えて設計することを意味します。
キャリアを単なる「働き方」として捉えず、「生き方」という広い意味合いで捉えることが求められます。
キャリアデザインを設計することで得られるメリットをまとめると、下記の4つとなります。
転職では「給与」「勤務地」「やりがい」「ワークライフバランス」「法人・施設・事業所の知名度」「社風」「ワークライフバランス」など、いろいろと改善できるポイントがありますが、すべてを改善できるような無敵の法人・施設・事業所は存在しません。
これらの改善できるポイントの中で、「これだけは改善したい」というものと、「これなら捨てられる」というものを順位付けし、自分が転職で実現させたい最優先事項を明確にすることが、転職で失敗・後悔しないために行うべき最初の行動です。
「自分はどんな働き方がしたいのか」「自分にはどんな職場・職種が向いているのか」「自分にはどんな資格が必要なのか」等、理想のキャリアを主体的・自律的に考え、「キャリアデザイン」を設計する必要があるのです。
>>キャリアデザインってなに?福祉・介護職にキャリアデザインが必要な理由4選と手順
2.福祉・介護に関する学びを深める(職場の種類や特徴・職種の違い・資格の取得要件など)
「職場の種類や特徴」「職種の違い」「資格の取得要件」など、福祉・介護職に関する学びを深めることは、転職で失敗・後悔しないために必要不可欠です。
特に未経験者や経験の浅い方は必須です。
福祉・介護職の経験が長い方でも、「自分の勤めたことのある職場しか知らない」「職種の違いについて曖昧」「資格の取得要件を知らない」といった方は、意外と多くいるようです。
「福祉・介護に関する学びを深めること」で、新しいキャリアが開けるでしょう。
このブログでも、学びとなる様々な情報をたくさん発信しています。
転職で失敗・後悔しないためにも、事前に学びを深めることをおすすめします。
>>働き方別に紹介!介護職が働ける職場の種類と特徴 ~簡単フローチャート付き~
3.資格を取得する
これまで何度もお伝えしたとおり、福祉・介護職は無資格でも働くことができます。
しかし、有資格者であれば、転職で選ぶことのできる施設・事業所の幅が広がり、その分失敗・後悔に繋がる可能性は低くなります。
また、介護業界で長く働くことを考える場合は、昇給やキャリアアップなど、資格を取得することによるメリットは大きいです。
「初任者研修」や「実務者研修」の資格は、取得するためのハードルが低く、誰でもチャレンジができます。
特に、異業種からの転職する方は、福祉・介護の知識やスキルを取得するためにも、「初任者研修」「実務者研修」の資格は、事前に取得しておくことをおすすめします。
キャリアデザインの設計次第では、「介護福祉士」「社会福祉士」「ケアマネジャー」などの資格取得も必要となるでしょう。
>>介護職を徹底解説!職種の業務範囲と資格取得のメリット4選
4.転職エージェントを活用する
転職エージェントとは、「仕事を探す人」と「人材を探す施設・事業所」をマッチングするサービスのことです。
転職エージェントに登録すると、担当者(キャリアアドバイザー)が、みなさんの希望を聞き取り、条件に合った求人を紹介してくれます。
1人で施設・事業所の情報をすべて集めることはできません。
転職エージェントを活用すると、キャリアアドバイザーが施設・事業所の詳しい情報を教えてくれるため、「勤務地(通勤距離・立地条件)」「仕事内容」「給与」など、自分の興味や関心のある情報だけに偏る心配はありません。
また、多くの転職エージェントでは、応募後の選考対策や施設・事業所との条件交渉も行ってくれます。
転職エージェントの活用で得られるメリットをまとめると、下記の7つとなります。
転職エージェントを活用することは、実際に転職の場面で得られるメリットの他、自分自身の市場価値を確かめることができる「便利なツール」としても活躍してくれます。
転職で失敗・後悔しないためには、福祉・介護職に特化した転職エージェントを活用するのがおすすめです。
>>ニーズ別に紹介!福祉・介護職のおすすめ転職エージェント4社
【まとめ】
この記事では、福祉・介護職の転職で失敗・後悔しないための行動について、失敗事例を交えながら解説しました。
4つのうちどれか1つを実践することにより、転職で失敗・後悔する可能性を減らすことができます。
ぜひ行動に移し、転職を成功させてください。
そして、自分らしい生き方に繋げて欲しいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。