みなさんどうもこんにちは。
現役で特養の生活相談員として働く「てんぱまる@tenpamal」です。
社会福祉士・公認心理師などの資格を所持しています。
- ケアマネジャーってどうしたらなれるの?
- 試験は難しいの?
- 介護職との違いが知りたい
- どんな仕事で、どんな魅力があるの?
- ケアマネジャーを目指すか迷っている
ケアマネジャーのことに対して、上記のような疑問・悩みを抱いている方には必見です。
この記事では「ケアマネジャーの仕事内容と魅力」について、わかりやすくご紹介していきます。
最後までご覧いただけば、ケアマネジャーを目指したくなるはず!
【結論】ケアマネジャーには、ネガティブな実情を上回る魅力がある
まず結論からお伝えすると、「ケアマネジャーには、ネガティブな実情を上回る6つの魅力がある」ということが言えます。
「資格の取得と維持に時間とお金がかかる」「処遇改善(賃上げ)で冷遇され、資格を取得したのに賃金が下がる」などと、ケアマネジャーを取り巻く周囲は、とても厳しいのが現状です。
しかし、ケアマネジャーの仕事には、そのネガティブな実情を上回るだけの魅力がたくさんあります。
>>ケアマネジャーなんてもう嫌だ!ネガティブな感情から脱却する4つの方法
ケアマネジャーの主な仕事内容
ケアマネジャーの魅力を知るためには、まずケアマネジャーの主な仕事内容について、理解しておく必要があります。
ケアマネジャーの主な仕事内容は、下記の3つにまとめることができます。
介護職のように身体介護(排泄・入浴・食事介助など)を行う仕事ではなく、相談業務を中心にしている仕事です。
また、介護保険法に「要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するもの」とも規定されています。
身体介護を行うわけではありませんが、要介護・要支援者を支える福祉・介護の専門職と言えます。
ケアマネジャーになるための要件と流れ
次にケアマネジャーになるための要件と流れについて、解説します。
上記手順を経て、「ケアマネジャー」(介護支援専門員)になることができます。
「ケアマネジャーは国家資格なの?」という質問を多く受けますが違います。
ケアマネジャーは「国家資格」ではなく「公的資格」なんです。
>>国家資格・公的資格・民間資格の違いってなに?それぞれの定義や分類の要点をわかりやすく徹底解説
介護支援専門員実務研修受講試験の難易度
「介護支援専門員実務研修受講試験」の結果を見てみましょう。
>>「介護支援専門員実務者研修受講試験実施状況等|厚生労働省」はこちら
上記図1を見てわかるように合格率の推移は、第1回試験から低下傾向が続いています。
特に第21回(平成30年度) では、受験者数49,332人に対し合格者数4,990人で、合格率10.1%と過去最低となりました。
この年を底辺とし、近年では20%前後の合格率で推移しています。
合格率から見て、ケアマネジャーの試験は簡単ではないということがわかります。
具体的な仕事内容とは?
それでは、具体的な仕事内容を確認していきましょう。
福祉・介護業界では「居宅」という言葉があり、「自宅」「在宅」を指します。
また「居宅」と区別して、「施設」が位置づけられています。
ケアマネジャーには「居宅ケアマネジャー」と「施設ケアマネジャー」の2種類が存在します。
居宅ケアマネジャーとは?
居宅ケアマネジャーとは「居宅介護支援事業所」や「地域包括支援センター」で働くケアマネージャーです。
主な業務内容は、自宅で暮らす要介護者や家族の相談窓口となり、利用する一人ひとりに合わせた介護サービスを組み立て、ケアプランを作成することです。
他にも、要介護の認定申請や介護保険等の手続き代行、介護サービスを提供する事業所(デイサービス・訪問介護など)との連絡調整を行います。
さらにはアセスメント、認定調査、サービス担当者会議の開催、モニタリング、ケアプランの見直し、介護保険の給付管理などを行います。
しかし、居宅ケアマネジャーには、自宅で暮らす本人や家族の生活状況を確認する目的から、毎月の自宅訪問による面接(モニタリング)が求められています。
また、提供票(月のサービス予定表)を作成し、各サービス事業所へ送付する業務があります。
施設ケアマネジャー
「施設ケアマネジャー」とは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの「介護保険施設」で働くケアマネジャーです。
主な業務内容は、介護保険施設に入居している利用者一人ひとりに合わせたケアプランを作成することです。
本人や家族の意向などを取り入れながら、施設の他職種と連携・協働し、日常生活で必要な支援計画を組み立てます。
アセスメント、認定調査、サービス担当者会議の開催、モニタリング、ケアプランの見直し、介護保険の給付管理など、基本的な業務に違いはありません。
また、施設の入退所や医療機関への入退院の際は、外部関係者と連絡調整を図ることも大切な業務です。
わたしはいま「施設ケアマネジャー」ですが、過去に「居宅ケアマネジャー」も3年間経験しています。どちらも魅力的な仕事です。
ケアマネジャーの魅力
では、ここからが本題です。
先に挙げたケアマネジャーの主な仕事内容に紐づけながら、ケアマネジャーの魅力について、解説していきます。
1.要介護者・要支援者・家族等の相談に応じる
ケアマネジャーは要介護・要支援状態になった高齢者やその家族の相談に応じる仕事です。
「相談に応じる」ということは、「ソーシャルワーク」を行うことを意味します。
ケアマネジメントの源流はソーシャルワーク
ケアマネジャーの魅力に迫るために、ケアマネジメントの源流である「ソーシャルワーク」について触れていきます。
「ソーシャルワーク」とは、クライエント(要介護者・要支援者)と環境(他者・物・制度・自然など)の交互作用し合う接点に介入し、双方の間にある「障壁」を取り除き、問題の解決を図ることです。
また、問題解決のみならず、双方の良い状態が維持できるよう介入することも「ソーシャルワーク」と言えます。
「ソーシャルワーク」の概念をわかりやすくイメージ化したのが、下記の図2となります。
わたしたちは様々な環境と交互作用しながら生活を営んでいます。
ケアマネジャーの「相談に応じる」は、高齢者分野に特化したスペシフィックなソーシャルワークです。
つまり、ソーシャルワークを行うことがケアマネジャーの仕事だと言い換えることができます。
クライエントの相談に応じて役に立てることは、ケアマネジャーの魅力の1つです。
オーダーメイドでサービスをカスタマイズする
ケアマネジャーは「相談に応じたケアマネジメントを行う福祉専門職」として、自らの援助に責任を持たなければいけません。
よって「なぜその援助が必要で選択したのか」といった根拠を明確にしておく必要があります。
つまり、優れたケアマネジメントを実践するためには、「アセスメント力」を高い水準で維持し続けることが必要不可欠です。
クライエントが個々で抱える問題を解決に導き、価値観に沿って援助していきます。
つまり言い換えれば、ケアマネジメントを実践するということは、その方に合わせた「オーダーメイドのサービスをカスタマイズする」ことであり、ケアマネジャーの醍醐味と言っていいでしょう。
2.介護保険サービスを受けるためにケアプランを作成する
ここで「ケアプランの作成」について、少し解説をしたいと思います。
ケアプランとは「どのような介護サービスを受けるのかをまとめた計画書」を指します。
ケアプラン作成は、事実上ケアマネジャーの業務独占
介護認定を受けるだけでは、保険適用による介護サービスを利用できません。
ケアプランを作成し、必要なサービスとして位置付けることにより、はじめてサービスを受けることができるのです。
ケアマネジャーではなく、自分でケアプランを作成すること(セルフプラン)も認められていますが、ケアプランを保険者(市町村)に提出し、承認を得る必要があるなど、手続きがとても煩雑です。
要するに、勝手なサービス利用は認められないわけです。
このセルフプランの占める割合は、全体の「0.05%」と非常に低い割合となっています。
このよう実情態をふまえると、ケアプランの作成は、事実上ケアマネジャーの業務独占であると考えていいでしょう。
ケアプランの作成はケアマネジャーにしかできない仕事で、魅力の1つだと言えます。
人生のナラティヴ(物語)に耳を傾け、ケアプランに反映させる
「介護を受けても、自分らしく暮らしたい」と願う方は多いでしょう。
しかし、介護の問題を抱えた本人・家族の多くは、「無理だろうな」といったネガティブな考えに陥りがちです。
わたしはケアマネジャーとして、「自分らしく暮らす」を支える視点を変えることはありませんし、可能だと考えています。
上記内容は、わたしがこれまで聞いてきた一例です。
本人・家族の人生のナラティヴ(物語)に耳を傾け、ケアプランに反映させることは、ケアマネジャーの醍醐味です。
3.市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う
「連絡調整」という言葉には、「市町村・サービス事業者・施設等への連絡」という意味だけに留まらず、多職種連携という意味が含まれています。
ケアマネジャーには、ただ単に連絡するのではなく、専門性の異なる職種が互いに連絡を取り協力しながら、同じ目標に向かうことができるようにコーディネートすることが求められているのです。
出会いや繋がりが増える
ケアマネジャーは様々な人と関わりを持ちます。
「デイサービスの生活相談員」「訪問看護ステーションの看護師」「福祉用具専門相談員」といった専門職のみならず、「町会長」「民生委員」など、地域の方々との出会いや繋がりも増えます。
専門職・地域の方々のどちらも、マクロな視点で「資源」として捉え、日頃からの顔の見える関係性作りが重要です。
本人・家族を中心に多くの方と出会い、繋がることができるのは、ケアマネジャーならではの魅力です。
お互いが困った時に支え合えるよう、関係性を構築しておくことが理想です。
多職種の視点や役割を学べる
わたしの基礎資格は介護福祉士・社会福祉士です。
よって「生活モデルの視点」が強く、「医学モデルの視点」が疎かになる傾向があります。
そのためケアマネジャーの仕事を行うにあたっては、医師や看護師などの医療職からの助言は必要不可欠だと考えています。
また同じ福祉系の基礎資格を持つ人であっても、「デイサービス」「ヘルパーステーション」「特別養護老人ホーム」「病院」など、場所や施設の種類によって視点や役割は変化します。
多職種の視点や役割を学ぶことができるのもケアマネジャーの魅力ですね。
【まとめ】ケアマネジャーは魅力的な仕事
ケアマネジャーを取り巻く環境は、とても厳しいのが現状です。
しかし上記のように、ケアマネジャーの仕事には、ネガティブな実情を上回るだけの魅力がたくさんあります。
この記事を読んで「ケアマネジャーを目指したい」「ケアマネジャーになりたい」と思う方が一人でも多く現れて欲しいと願います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。