ケアマネジャーなんてもう嫌だ!ネガティブな感情から脱却する4つの方法

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てんぱまる
この記事の著者
業界20年目になる特養の施設長。

看取りとグリーフケアの経験を重ねる。
地域密着型サービス外部評価調査員・実務者研修講師・大学非常勤講師としても活動中。

マルチーズが大好き。

【保有資格】
社会福祉士・介護福祉士・保育士・幼稚園教諭二種免許状・公認心理師・第一種衛生管理者・主任介護支援専門員
てんぱまる
てんぱまる

みなさんどうもこんにちは。

元介護士で、現役ソーシャルワーカー×心理師の「てんぱまる@tenpa_mal」です。

介護支援専門員(以下ケアマネジャー)を長く続けていると「業務が固定化されてつまらない」「板挟みになってつらい」など、ネガティブな感情を抱くことがあります。

私自身も10年以上という長いケアマネジャー歴のなかで、何度も経験しています。

初めてケアプランを作成し、出来上がった時の喜びや感動はひとしおだったけれど、今となっては忘れ去られた遠い過去の出来事・・・そんな方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、ケアマネジャーを続けているみなさんが、ネガティブな感情から脱却するマインドセットと方法についてお伝えしていきます。

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目次

ケアマネジャーの業務とネガティブ要因

まずは自分自身で「どの業務がつまらないのか」「なぜつらいのか」を整理する必要があります。

みなさんご存じの通り、ケアマネジャーには大きく「施設ケアマネジャー」と「居宅ケアマネジャー」の2種類が存在します

どちらか一方しか経験のない方でもイメージできるよう、2種類のケアマネジャーについて、業務の違いとネガティブ要因を整理しました

施設ケアマネジャーとは

施設ケアマネジャーとは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの「介護保険施設」で働くケアマネジャーです。

主な業務内容は、介護保険施設に入居している利用者一人ひとりに合わせたケアプランを作成することです。

本人や家族の意向などを取り入れながら、施設の他職種と連携・協働し、日常生活で必要な支援計画を組み立てます。

具体的には、アセスメント、認定調査、サービス担当者会議の開催、モニタリング、ケアプランの見直し、介護保険の給付管理などを行います。

また、施設の入退所や医療機関への入退院の際は、外部関係者と連絡調整を図ることも大切な業務です。

施設ケアマネジャーは、利用者100名に対して1名で良いとされる配置基準です。

他職種との兼務が認められているため、ケアマネジャー本来の業務だけではなく、利用者の身体介護や送迎など、他の業務や役割を求められる場合も多くあります。

また、施設ケアマネジャーに比べると、居宅ケアマネジャーの人数が圧倒的に多いことから、研修会など学びの機会は多くありません。

これらのことから、施設ケアマネジャーは、ケアマネジャーとしての存在価値が希薄であると言えます。

さらに、一人でケアプランを作成する数が多く、施設内だけでサービスが完結してしまうことから、画一的で個別性のないケアプランになりがちです。

もっと言うならば、ケアプランが実際のケアに活かされにくいとも言えます。

私の勤務する施設は利用者50名の施設ですが、私を含めた3名のスタッフが他職種と施設ケアマネジャーを兼務しています。

私自身は法人本部や生活相談員を兼務していますが、実際に利用者の身体介護を行う場面はほとんどありません。

しかし、事務的な業務や施設の設備管理など、いわゆる「何でも屋」のような立ち位置で、様々な業務を行わなければいけないことは事実です。

施設ケアマネジャーのネガティブ要因
  • ケアマネジャーとしての存在価値が希薄である
  • 他の業務や役割を求められる
  • 研修会など学びの機会が少ない
  • 画一的で個別性のあるケアプランが作成できない
  • ケアプランが実際のケアに活かされにくい など

居宅ケアマネジャーとは

居宅ケアマネジャーとは「居宅介護支援事業所」や「地域包括支援センター」で働くケアマネージャーです。

主な業務内容は、自宅で暮らす要介護者や家族の相談窓口となり、利用する一人ひとりに合わせた介護サービスを組み立て、ケアプランを作成することです。

他にも、要介護の認定申請や介護保険等の手続き代行、介護サービスを提供する事業所(デイサービス・訪問介護など)との連絡調整を行います。

利用者と家族のみならず、様々な事業所や多職種と関わることから、それぞれの利益や立場の板挟みになることが多くあります。

アセスメント、認定調査、サービス担当者会議の開催、モニタリング、ケアプランの見直し、介護保険の給付管理など、基本的な業務に違いはありません。

しかし、居宅ケアマネジャーには、自宅で暮らす本人や家族の生活状況を確認する目的から、毎月の自宅訪問による面接(モニタリング)が求められています。

また、提供票(月のサービス予定表)を作成し、各サービス事業所へ送付する業務があります。

居宅ケアマネジャーの1ヶ月は「初旬に給付管理」「中旬にケアプラン等の書類作成」「下旬に自宅訪問(モニタリング)や提供票の送付」と業務の時期が固定化される特徴があるため、退屈で思考停止に陥りやすいとも言えます。

一方で、突発的な利用者と周辺環境の変化に応じた臨機応変な対応力が求められ、何度も続いたり重なることで疲弊します。

よって、居宅ケアマネジャーが1名で担当できる利用者は35名までであり、施設ケアマネジャーより少ない基準となっています。

さらに居宅介護支援事業所は、利用者1人当たりの介護報酬(居宅介護支援費)が少ないことから、事業所だけで利益を確保することが難しい状況です。

よって、居宅ケアマネジャーが自会社(法人)の介護サービス(デイサービス・訪問介護など)を利用するケアプランを作成し、相乗効果による利益が見込まれています。

このことから、法人(会社)内では利益への貢献度が得られにくいと言えます。

その他にも「入院している利用者の状況確認」「新規サービス事業所の情報収集」「地域包括支援センターから求められる地域ケア会議への参加」「困難事例への対応」など、業務は多岐に渡ります。

これらのことから、特に小規模の事業所に所属するケアマネジャーは、悩みや忙しさを相談することができず、業務を1人で抱え込んでしまいがちです。

居宅ケアマネジャーのネガティブ要因
  • 利用者、家族、事業所の利益や立場の板挟みになる
  • 退屈で思考停止に陥りやすい
  • 突発的な変化に応じた対応に疲弊する
  • 事業所(法人)内で利益への貢献度が得られにくい
  • 困難事例を1人で抱え込みやすい など

すべてのケアマネジャーに共通するネガティブ要因

ここまでは2種類のケアマネジャーについて、業務の違いとネガティブ要因をお伝えしましたが、さらに双方へ共通するネガティブ要因3つ存在します。

資格の取得と維持に時間とお金がかかる

まず挙げられるのは、ケアマネジャーの資格は5年ごとに更新する必要があることです。

更新する際には、所定の更新研修を受講しなくてはならず、時間もお金もかかります

また、資格をうっかり失効してしまった場合は、ケアマネジャーの業務が行えません。

※研修にかかる時間は、実務経験のある方とない方で差があり、受講料も各自治体によってバラツキがあります。

処遇改善(賃上げ)で冷遇され、資格を取得したのに賃金が下がる

上記のように時間やお金がかかる資格であるにも関わらず、ケアマネジャーは介護職に比べて処遇改善(賃上げ)において冷遇されています。

介護職に対しては処遇改善加算、特定処遇改善加算というかたちで賃上げが行われていますが、ケアマネジャーにはありません。

努力して資格を取得し、ケアマネジャーになったにも関わらず介護職より賃金が下がることに繋がります。

ケアマネジャー不要論

さらに追い打ちをかけるように、「医療との連携ができていない」「中立・公平性の確保が十分ではない」「ケアプランのAI化」など、ケアマネジャーの不要論がとりざたされるようになりました。

ケアマネジャーは、保健・医療・福祉に関する国家資格保有者としての実務経験が、通算5年以上かつ900日以上ないと受験資格が得られません

以前は国家資格を保有せずとも実務経験だけで受験資格が得られていましたが、条件はより難しくなり、ケアマネジャーの質を担保したいという流れが伺えます。

令和3年度の介護保険改正で、国はサービス事業所に対し「科学的介護推進体制加算」を打ち出し、データ提出を求めました。

そのデータをもとに、ケアプラン作成をAIなどでアシストできるような体制を整えようとしています。

これらの動きにより、ケアマネジャー不要論がさらに盛んに議論されるようになりました。

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ネガティブな感情から脱却する方法

上記までのように、ケアマネジャーを取り巻く周囲は、ネガティブな感情を抱かずにはいられない実情ばかりです。

このような感情が長引くと「つまらない」「つらい」「やめたい」という状況に追い込まれていきます。

やりたいことが見つからない状態が長く続くと、つい自分自身を責めてしまったり、他人と比較して焦ってしまったりするものです。

ここからは私が実際に活用し、ネガティブな感情から脱却することに成功した4つの方法をご紹介していきます。

  1. 読書をする
  2. いつもと違う人と会う
  3. 資格取得を目指す
  4. 転職活動をする

読書をする

読書によって、自分の価値観が明確になり、将来の方向性が見えてきます。

がむしゃらに仕事を続けるだけでは「自分の内側にある価値観」というのは、なかなか見つかりにくいものです。

読書をすることが「物事を相対的に認識すること」に繋がり、「自分にとって仕事とは?」「人生で成し遂げたいことは?」といった、自分の内側を見つめるきっかけになります

もちろんテレビやインターネットからでも、自分の価値観を知ることはできますが、より正確で詳細に知り得る行為として、読書に勝るものはありません。

自分の価値観さえ明確になれば、自然とネガティブな感情は薄れていきます。

いつもと違う人と会う

いつもと同じ職場で、いつもと同じメンバーで、いつもと同じ利用者のケアプランを作成して・・・という業務を繰り返すだけではネガティブな感情から脱却できません。

まさに廃人状態です。

そのような時は、いつもと違う人へ会いに行きましょう。

「他のケアマネジャー」「デイサービスや施設の相談員」「訪問看護師」など、身近で手軽に会える人で構いません。

もし可能であれば、他業種で働く人にも目を向け、接点を持つことをお勧めします。

いつもと違う人たちに会うことで、様々な新しい情報が得られ、リフレッシュできたり、新たな価値観に触れることに繋がります

コロナ禍で対面で会うことが難しい状況ですが、オンラインを活用するなど、いつもと違う人とのコミュニケーション機会を持つようにしてみましょう。

資格取得を目指す

ケアマネジャーがつまらないと思う時こそ、別の資格取得を目指しましょう。

「資格を取得する努力ができる人」と客観的に認められ、自信が持てるようになります

また、資格の取得を目指す過程の学びのなかで、様々な分野の情報に触れ、多角的な視点が持てるようになります

私はケアマネジャーの仕事をしている時に、「社会福祉士」の資格取得を目指しました。

ソーシャルワークの学問を体系的に学び、のちにケアマネジャーから生活相談員へ職種を変えるきっかけにもなりました

さらに、もともと興味のあった心理の分野を学び、「公認心理師」の資格を取得することもできました。

心理学を学んだことで、仕事でもプライベートでも心が豊かになり、より充実した毎日が遅れるようになったと実感しています

転職活動する

転職活動に不安を感じるのは当然のことです。「これまでのキャリアがどのくらい評価されるか」はとても気になります。

ただ、これは一人で考えていてもなかなか答えが出ないものです。

まずは、自分自身の市場価値を確認するためにも、転職エージェントを利用し、転職活動を始めてみることをお勧めします。

そもそも、「転職活動をしたら絶対に転職しなければいけない」というわけではありません

自分のケアマネジャーとしての経験やスキルが他の会社で通用するのかを知り、現状と比較をするだけでも構わないのです。

転職活動し、今の会社(法人)のほうが自分のスキルや経験を重宝してくれるということが分かれば、転職せずケアマネジャーを続けるという道も考えられます。

実際に、転職活動を始めたことで他の会社(法人)との比較ができ、現状を再認識して転職活動を止める人も多くいるようです。

もちろん、全く別の業界・仕事でなければいけないという訳ではなく、別会社(法人)のケアマネジャーへの転職活動でも構いません

まとめ

ネガティブな感情から脱却するためには「ケアマネジャーという仕事への執着を捨て、何か別のことに目を向けること」が一番のマインドセットになります。

ネガティブな感情ばかりが目立つケアマネジャーの仕事ですが、介護保険のプロフェッショナルとして、魅力的な職業であることに変わりはありません。

私がケアマネジャーを長く続けているのは、利用者や家族からの感謝の言葉に喜びとやりがいを感じているからです。

今回の記事を参考にすることで自身を振り返り、ポジティブな感情へ変換するきっかけとなれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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