自分を守ろう!介護現場でストレスの原因となる悩みと対処法

てんぱまる
この記事の著者
業界20年目になる特養の施設長。
地域密着型サービス外部評価調査員・実務者研修講師としても活動中。
保有資格はすべて一発合格。

【保有資格】
社会福祉士/介護福祉士/保育士/幼稚園教諭二種免許状/公認心理師/第一種衛生管理者/主任介護支援専門員

マルチーズが大好き。

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てんぱまる
てんぱまる

みなさんどうもこんにちは。

元介護士で、現役ソーシャルワーカー×心理師の「てんぱまる@tenpa_mal」です。

どなたでも仕事をしていれば、多かれ少なかれ「ストレス」はあるでしょう。

「給料」「待遇」といった条件面の他にも原因は様々で、働いている限りは避けられないかもしれません。

そして、一括りに「ストレス」と言っても働く業界や職業によって、原因となる悩みは異なってきます。

たとえば、IT業界では技術が常に進化して、新たなサービスが次々と開発されるため、「いかについていくか」「いかに新しい技術を生み出せるか」が技術者にとっての大きな悩みだそうです。

同じように、介護現場にも「特有の悩み」は存在します

この記事では介護職として現場で働き、現役生活相談員でもある私の経験をもとに、「介護現場でストレスの原因となる悩みと対処法」について具体的かつ丁寧にお伝えしていきます。

目次

間違えた対処法

まず、悩みを抱えた際の対処法の中には、やると逆効果になってしまう「間違えた対処法」があることを理解しておかなければいけません

愚痴で共感を求め

「間違えた対処法」の1つが「愚痴」として周囲へ発信する方法です。

「愚痴」はコミュニケーションのきっかけになることから、お互いに言い合っていることが楽しいのです。

またストレスがかかっている時に「愚痴」をこぼすと、自身の気持ちがスッキリする効果もあることから、「絶対に駄目」とも言い切れない部分もあります。

しかし、「愚痴」を聞く相手は、みなさんに「同意」する感情にはなれず、「迷惑」と感じている可能性があります。

類似するような経験のない人が、「不満を聞くのは辛い」「愚痴は聞きたくない」と思うことは当たり前のことです。

中には「愚痴を聞き続けるのが苦痛で、職場に行けなくなった」という人がいるほど、「愚痴」が相手に与える影響は大きいのです。

最初は「自分を信頼してくれているから」「話してくれているのに粗末にできない」と聞いてくれるかもしれませんが、やがて愚痴」を話す人のネガティブな感情に心が傷つけられ、心身の健康に支障を来たすことすらあるのです

「愚痴」が周囲の共感を呼び、結果としてみなさんの悩みの解決へと繋がることがあるかもしれません。

しかし、その過程ではネガティブな感情に心が傷つけられている人が、少なからずいることを理解しておく必要があります。

みなさんが「周囲の誰も傷つけず悩みを解決したい」と考えるのであれば、「愚痴」を言うことは避けなければいけません

不機嫌で相手を動かす

もう1つが「不機嫌」で相手を動かす方法です。

悩みや不満があると、その感情を「威圧」や「無言」によってコントロールしようとする人がいます。

役職者やベテランなどがやってしまいがちで、とても幼稚な方法と言えます。

「不機嫌は最大の罪」という言葉があるように、「不機嫌」にはとても破壊力があります。

なぜなら「不機嫌」は、不満に思っている人や攻撃したい相手だけに留まらず、その周囲にいる人たちをもネガティブな感情にさせてしまうからです。

役職者やベテランなど、組織内で発言力のある立場の人が「不機嫌」となれば、破壊力はさらに大きくなります。

しかも「不機嫌」でなくなって後もしばらく余韻が残り、心が傷つけられた状態を引きずる結果となってしまいます

どんなに悩みや不満が大きくとも、「不機嫌」で相手を動かそうとする方法は、絶対にやってはいけません。

ではここからは、本題である「ストレスの原因となる悩み」を取り上げ、「具体的な対処法」をお伝えします。

人手不足の悩みと対処法

少子化の影響により、ほとんどの業界で人手不足が問題となっています。

特に機械化が難しい部分の多い介護現場においては、顕著に影響が出ています。

現場に近い役職では「人手不足による業務負担の増大」が悩みで、介護リーダーや介護主任といった中間管理職においては「現場のフォロー」「シフト調整」などに頭を悩ませている方が多いようです。

いずれの悩みにおいても、一番の解決策は「採用に成功し、スタッフを増やすこと」です。

しかし、条件に合う求職者の出現を待つのは「受け身」の姿勢で、いつ解消されるのかも分かりません。

ここでは「介護の現場で自発的に行う対処法」を3つご紹介します。

業務に優先順位をつける

まず1つ目の対処法は「業務に優先順位をつける」ことです。

介護の業務は、やりたいことをすべて行おうとすれば、いくら時間があっても足りません。

利用者の生活の質(QOL)を高めようと思うならば、いくらでもやることがあるからです。

しかし、人手不足のなかにおいては「すべて行おう」では、介護の現場は成り立ちません。

人手と状況に併せながら業務量を調整する必要があるのです。

ここでお伝えする「調整」とは、業務に優先順位をつけて「ここまではやる」「ここから先はやらない(スタッフが充足したらやる)」と線引きをする作業です

それにはまず、介護現場で行っている業務を下記の2つに分類することから始める必要があります。

  1. 基本となるケア・サービmustやらなければいけないこと
    • 法令で義務づけられていること (介護保険法、老人福祉法など)
    • 利用者の心身の健康と安全に関すること(事故防止、感染症対策など)
  2. その他のケア・サービス(canできることwillやりたいこと
    • 利用者・家族からの要望(個別性の高いケア)
    • QOLの向上に繋がること(楽しみの創出、季節の演出など)
図1 介護現場における業務の優先順位

ここに分類される業務から「やる」「やらない」を決めていきます。

決まったら、理由も含めて利用者、家族、スタッフへしっかりと説明し、理解を求めていきましょう。

「やらなければいけない業務」と「できるけど優先順位の低い業務・今後やりたい業務」をスタッフ間で話し合い、共有しておくことで、「何もかもやらないといけない」といった気持ちになるのを防ぐことができます

徹底的に効率化する

「その他の業務」は現場の介護職として「できればやってあげたい業務」「今後やってみたい業務」であり、「やりがいを感じる業務」でもあります。

業務を効率化することにより時間を生み出し、「その他の業務」を実施できるようになる可能性が広がります。

「効率化で着目する業務内容」は下記のとおりです。

手順を見直して無駄を排除すると同時に、IT・ICT機器などの導入を検討し、徹底的に効率化しましょう。

また、これまで介護職が行っていた業務も外部へ委託したり、物品を購入することで、大幅な効率化な見込める場合もあります。

たとえば「排泄介助で使用する清拭をすべて使い捨てに切り替える」「掃除を外部業者へ委託する」といった具合に、洗濯や清掃の業務を見直したことで、1日数時間の時間短縮に繋がった事業所もあります。

効率化で着目する業務内容

  • 準備、後始末
  • 記録、管理、確認
  • 購入、依頼
  • 連絡、報告、相談、情報共有
  • 洗濯、清掃
  • 長距離および高頻度の移動 など

早期教育の仕組みをつくる

最近では、採用される人材が「無資格」「未経験」であることも少なくありません。

また「外国人」や「シニアスタッフ」も増加しています。このような人材がいつまでたっても未熟では、一部のスタッフだけにしわ寄せが及び、スタッフの人数が充足しても、人手不足の解決には繋がりません。

新人スタッフを一日でも早く「一人前」へと育成させるためには「指導者それぞれの経験に頼った育成スタイル」から脱却し、「事業所の育成プログラム」を構築することが不可欠です

育成制度の詳しい内容説明は割愛しますが、最近では手順をスマホで撮影し、動画マニュアルとして活用している事業所も増えているようです。

「育成プログラムは、事業所の規模や組織の形態によって、柔軟に変化させる必要があります。

また、新人スタッフがしっかりと事業所に定着できるようにするためには、知識や技術指導だけではなく、精神的なサポートができる仕組みもあったほうが良いでしょう。

人間関係の悩みと対処法

ストレスの原因となるもう一つの悩みは「人間関係」で、「価値観の違い」が要因とも言われています。

この人間関係の悩みに対して効果があると思われる対処法は、下記の4つとなります。

ゴールを共有する

仕事のなかで価値観が違うことは、言い換えるならば、「お互いの目指すゴールが異なる」ということです。

たとえば、ある利用者に対し「残存機能を最大限活かすこと」を優先するスタッフと「できる限り手厚くサポートすること」を優先するスタッフとでは、介助方法が異なるはずです。

スタッフ間で、目指すゴールが一致していないと感じたら、上司や他職種を巻き込み「利用者に対するケアの目的」「業務の完成度(どこまでやればよいか)」「判断に迷った時の優先順位」について話し合い、明確にしていきましょう

ベストではなくベターを目指す

スタッフ同士の意見が違い、衝突してしまうのは、お互いに正しいと思うことを譲り合うことなく、ぶつけ合っているからです。

たとえ衝突しないまでも、納得しないまま相手の意見を飲むことは、とても後味が悪いものです。

このような意見の違いが人間関係の悪化へと発展し、組織内で「派閥」となってしまうことに繋がります。

介護現場における話し合いに「唯一無二のベストな回答」などありません

答えは無数に存在する前提で、相手の意見に耳を傾け、一方の「ベスト(理想)」ではなく両者の「ベター(落としどころ)」を目指す意識を持ちましょう。

話し合いのなかで両者の意見がぶつかった時は、下記のように対話することで、衝突なくベターにたどり着ける可能性が高まります。

・相手の意見の「良いところを言葉にする
 「あなたの意見の〇〇はとても良いですね」
    ↓
・自分の意見の要点(大事にしたいポイント)を伝える
 「私が大事にしたいのは△△です」
    ↓
・お互いの意見を融合して落としどころを提案する
 「お2人の意見をうまく取り入れて(〇〇+△△)ではいかがでしょうか?」

タブーを排除する

自分が「やってはいけない」と思うことを他者がやると、とても目につくものです。

私の特別養護老人ホーム(以下特養)で、男性スタッフが認知症の女性利用者に対し、馴れ馴れしい口調で会話をしている場面がありました。

同僚の女性スタッフは、その口調が許せず、とても不快に感じて指摘しました。

しかし、男性スタッフは「笑ってくれるから」「利用者のためにやっている」と譲らず、2人の関係はとても険悪になってしまいました。

このような場合には、事業所内で「タブー」を明確にし、組織的なアプローチで排除していくのが良いでしょう。

場面ごとに「サービス・ケアの限界点(下限)」を設定し、「利用者との会話では必ず丁寧語を活用すること」といったように文章化することで、個人の気持ちではなく、事業所の「タブー」であると認識してもらえるでしょう。

ルールを明確にする

「タブー」ほどではなくても、やり方が違うとイライラすることにも繋がります。

私の特養では、「フェイスタオルのたたみ方」が問題となりました。

ほとんどのスタッフが「2つ折り」にしますが、一部のスタッフが「3つ折り」にします。

「3つ折り」だと衣装タンスに収納する際に入りきらないため、「2つ折り」にするスタッフらが「どうして同じようにたためないのか」と「3つ折り」でたたむスタッフらの批判へと繋がってしまいました。

わずかな不一致も、度が過ぎると「人間関係の悩み」へと発展しかねません。

このような場合は「フェイスタオルは2つ折りでたたむ」というルールを明確につくれば良いのです。

日常業務の進め方の違いによって支障を来している場合は、1つひとつルールを作り上げていくことで、スタッフのイライラは解消されます。

あえて逃げることの必要性

私は社会福祉士・公認心理師として、様々な悩みを抱えた方に出会います。

なかには心身に支障を来すほど、重い悩みを抱えている方もいます。

そのような方には、あえて「逃げる(異動・休職・退職)」ことを勧めていますが、人手不足の介護業界で「逃げる(異動・休職・退職)」という行動は、周囲に少なからず迷惑を掛けることになります。

しかしだからといって、心身に支障を来したままで我慢する必要は全くありません。

悩みに気づき、自ら対処が難しい場合には、周囲の上司や同僚が察し、あえて「逃げる(異動・休職・退職)」ことを後押しする対処が必要になるのです。

みなさん一人ひとりが「ストレスの原因となる悩みと対処法」について理解を深めることは、ストレスによるメンタル危機から自分・他者を守り、最終的には事業所をも守ることにも繋がります。

今回の記事を参考にし、みなさんの業務に活かしていただけたら幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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