みなさんどうもこんにちは。
元介護士で、現役ソーシャルワーカー×心理師の「てんぱまる@tenpa_mal」です。
「人間関係がうまくいっていない」という不協和音は心をジワジワとむしばみ、「何とかしよう」という前向きな気持ちになるまで時間がかかります。
しかも、たとえ「何とかしよう」と意を決したところで、解決に導く思考や方法を知らないことが多くあります。
そのうえ、的外れな言い訳や考えが頭に浮かんでしまうため行動に移せず、二の足を踏んでしまうことも少なくありません。
この記事では、こじれた人間関係を解決に導く思考と方法についてお伝えします。
結論
まず結論からお伝えすると、こじれた人間関係を解決に導くためには、「相手との問題を客観視すること(思考)」と「明確にした理由を紙に書き出し、第三者に伝えること(方法)」が必要です。
思考と方法どちらか一方だけでは、解決に導くことはできません。
- 相手との問題を客観視すること(思考)
- 明確にした理由を紙に書き出し、第三者に伝えること(方法)
的外れな言い訳
「相手との問題を客観視する思考」を身に着けるためには、よく聞かれる「的外れな言い訳」を疑うことから始める必要があります。
「的外れな言い訳」の例をあげると次のようなものがあります。
この手の言い訳の1つや2つは、みなさんにも心当たりがないでしょうか?
あるいは、みなさん独自で別の言い訳を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
的外れな言い訳を疑う
では、よく聞かれる「的外れな言い訳」について、整理しながら順番に紹介していきます。
ひとつ一つイメージしながら、思考を磨きましょう。
1 その気があるなら、相手からコンタクトしてくるだろう
相手がコンタクトしてこない理由は、別にあるのかもしれません。
たとえば「みなさんが怒っていると思い込んでいる」「何かを誤解してる」「実はあなたの言動に傷ついている」「相手はみなさんから動いてくれるのを待っている」といった理由があげられます。
往々にして、相手からのコンタクトを待つだけでは、前に進む可能性は低いのです。
2 相手は自分に腹を立てているだろう
たしかに腹を立てているかもしれません。
そして、おそらくみなさんの方も相手に腹を立てているでしょう。
しかし、お互いに顔を合わせれば、その怒りが和らぐかもしれません。
たとえ和らぐことに繋がらないとしても、腹を立てている誤解を解くことができれば、相手もみなさんも肩の荷が降りるでしょう。
3 手を打つならもっと前にやっておくべきで、もう手遅れだ
解決するための思考や行動に有効期限はありません。
相手に対する思いやりや感情がみなさんの心にある限り、関係改善のために働きかける意味はあります。
自分のなかで「手遅れだ」と思い込むことをやめてみましょう。
その瞬間から、関係改善の糸口がつかめるかもしれません。
4 自分から近づいたら、弱い人間と思われそうだ
行動力と積極性は強さの表れです。
自分の弱い部分をさらけ出し、壊れたものをを治そうとすることは、とても勇気のいることです。
少なくとも解決しようと行動に起こすわけですから、それだけで弱い人間であるわけがありません。
プライドを捨てて一歩踏み出すことは、心が強い人間である証拠です。
5 自分から近づいて拒絶されたら、さらに気持ちが悪くなる
行動する前に「拒絶された時の心の持ち方」を決めておくと、後悔せずに済みます。
勇気を持って行動した自分を「頑張ったね」とねぎらってあげてください。
あらかじめ、気持ちが悪くなった時に相談できそうな友人を見つけておくのも良いと思います。
気持ちが悪くなった時は一人で抱え込まず、支えになって貰いましょう。
6 「連絡するな」と言われたから、自分からはコンタクトできない
相手の気持ちを尊重し、少しのあいだ待つことは構いません。
しかし長期間コンタクトをとらず、そのまま放置し続けるのは良くありません。
ある程度落ち着いたら、状況が変わる可能性がないのか、自ら確かめてみるのが良いでしょう。
自分から働きかけることで、相手の気持ちが変わる可能性もあります。
「もう会わない。連絡もしない」と言って遠ざかったものの、内心では「引き止めて欲しい」と思っているかもしれません。
まず一度だけでも再開の約束を取り付けましょう。誤解を解き、互いに信頼や寛容な心を取り戻すことができるかもしれません。
たとえ元の関係に戻れないとしても、これから先の人生を心穏やかに過ごしていくうえで、心の折り合いをつけるきっかけとなり得るからです。
7 相手から働きかけるほうが筋が通っている
「筋が通っているかどうか」ではなく、「現実的かどうか」を考えてみましょう。
たしかに最も筋が通るのは、「関係を絶った側」から働きかけることでしょう。
しかし、「物事が正しいか」「筋が通っているか」は脇に置き、「どのようにすれば最善の結果が得られるか」を考えることができれば、新たに別の構図をイメージできるようになります。
つまり、たとえ不本意であったとしても相手とのあいだに「橋を架ける役割」を引き受け、「その橋を自ら渡って相手に会いに行く」ことが求められるのです。
「橋を架ける役割」を柔軟に引き受けるには、精神力や洞察力が必要です。
精神力や洞察力を持ち合わせているのは、当事者のうち年長者や経験者であるとは限りません。
年齢が若い方だったり、「傷つけられた側」であることも多くあります。
「経験者で年長者であるから」「関係を絶った側が働きかけることが筋だ」と考え手をこまねいていると、「結局は何も起きない」ということも十分にあり得ることです。
正しさや道理にこだわりすぎれば、閉じた心を開くためのチャンスを逃しかねません。
人生はそもそも不当で不条理なことだらけです。
たとえ良好な人間関係であっても例外ではありません。
ものごとは常に公平とは限らないことを受け入れる必要があります。
たとえ相手に与えたものと同等のものを得られなかったとしても、心に余裕が生まれ、気持ちが楽になるでしょう。
8 どうでもいいことで、自分にとって大切な人ではない
はたして本当にどうでもいい相手なのでしょうか。
その人はみなさんが思っているよりも、ずっと大切な相手かもしれません。
人は相手から拒絶されると、その相手のことを重要ではないと考えたり、けなしてしまいがちです。
相手のことを忘れたくて、別のことで気を紛らわそうともします。
しかし、忘れようと思えば思うほど、忘れられないものです。
自分にとって「重要だった人に関する思い出」「大切な人に関する考えや気持ち」を無理やり抑え込もうとすれば、「気力や活力を失う」というかたちで、高い代償を支払うことにもなりかねません。
「自分にとって大切な人(大切だった人)ではないのか?」と考えることで、気力や活力を生み出す原動力ともなり得るのです。
暗礁に乗り上げられたままでいることのつらさ
みなさんはいくつ心当たりがありましたか?
このように的外れな言い訳をイメージしながら疑うことで、「相手との問題を客観視すること(思考)」が磨かれます。
繰り返し自分の過去にあった経験などを踏まえながら、思考の偏りを認識していくことが求められます。
では実際に2つの事例を通して考えてみましょう。
いずれも相手との対立を解消できず、暗礁に乗り上げたままでいた事例です。
このような状況を放置しておくことは、たとえもう会えない相手(会わない相手)であっても、心に負荷がかかり、不穏な状態が常に続く原因になってしまいます。
つまり逆説的に言えば、状況を放置せず相手との関係を解決することは、「心の平穏を手に入れること」に繋がると言えます。
また、無意識のうちに心の中に住まわせていた自分にとって大切な人(大切だった人)に気づくことにも繋がるのです。
思考をアウトプットする
「相手との問題を客観視する思考」を身に着けることができたなら、あとはアウトプットするだけです。
まずは「なぜ相手との連絡を絶っているのか?」という点について理由を明確にし、紙に書き出してみましょう。
そして紙に書き出すことができたなら、話を聞いてくれそうな第三者(友人など)にその理由を伝えてみましょう。
- 相手に伝わるよう言語化できているでしょうか?
- 主観的な言い訳なっていないでしょうか?
- 「なんとなく」「たぶん」「おそらく」という表現になっていないでしょうか?
- 「事実とは異なること」「捻じ曲げていること」「好ましくないこと」などは含まれていないでしょうか?
- 第三者に対して十分に理解してもらえているでしょうか?
もしかすると、現実がしっかりとみえていないと指摘されたり、的外れな言い訳だと反論されたりするかもしれません。
そのような反応や反論があれば、それをまた一つひとつ書き留めてみてください。
自分の思考の偏りに気づき、さらに思考を深めることに繋がります。
やり残した人間関係の宿題に取り組もう
関係がこじれた相手にアプローチするのは、とてもリスクが高いように感じられます。
人はあれこれと理由をつけて、その人と向き合うのを避けようとするものです。
「もう手遅れだ」「相手から働きかけるべきだ」と考えたり、拒絶されるのを恐れたり、「大した関係ではなかった」と思い込もうとします。
ところが問題の正体が分かれば、それはもう問題ではありません。
的外れと判明した言い訳は、恐れるに足りません。
やり残した人間関係の宿題に取り組むためには、問題の正体を見極めることが第一歩なのです。
この記事が、みなさんのこじれた人間関係を解決するきっかけになることを期待します。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。