介護職の入門資格はどっち?初任者研修と実務者研修のメリット・費用・選び方を解説【無資格・未経験者は必見】

てんぱまる
この記事の著者
業界21年目になる特養の施設長。
地域密着型サービス外部評価調査員・実務者研修講師・介護認定審査会委員としても活動中。
保有資格はすべて一発合格。

【保有資格】
社会福祉士/介護福祉士/保育士/幼稚園教諭二種免許状/公認心理師/第一種衛生管理者/主任介護支援専門員

マルチーズが大好き。

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まるこ

初任者研修実務者研修って、似たような資格で何が違うの?

てんぱまる

確かに分かりにくいから困っちゃうよねぇ……

  • 初任者研修、実務者研修ってそれぞれどんな資格?
  • 初任者研修と実務者研修は、どちらから受講するべき?
  • 無資格・未経験者が、初任者研修から受講しなくても困らない?
  • 実務者研修からの受講をおすすめするのは、どんな人?
  • スクール・通信講座を選ぶ際のポイントは?

このような不安・悩みを抱えている人は必見です。

スクールで実務者研修講師をしている経験をもとに、丁寧にお伝えしていきます!

目次

【結論】自分の理想とするキャリアに必要な資格を選ぼう!

結論から言うと、失敗・後悔しないためには「自分の理想とするキャリアに必要な資格はどちらか?」について、しっかりと考えることが必要です。

自分の理想とするキャリアに必要な資格を選ぼう!

資格を取った後のキャリアデザインを描けているのかは、とっても重要!

「とりあえず」「なんとなく」では、後悔・失敗に繋がります。

キャリアデザインってなに?福祉・介護職にキャリアデザインが必要な理由4選と手順

初任者研修と実務者研修の違い

まずは、初任者研修と実務者研修、それぞれの資格内容を整理してみましょう。

そのうえで、2つの違いについても確認していみます。

初任者研修はどんな資格?

介護の仕事に興味はあるけれど、「まったくの未経験で大丈夫かな?」と不安になる方も多いですよね。

そんなときにおすすめなのが初任者研修

この研修は介護人材のキャリアパスにおける入門資格で、誰でも受講できるようになっています。

介護の基礎知識やスキルを一から学べるので、未経験でも安心してスタートできるのが魅力です。

介護職は無資格・未経験でも求人が多い業界ですが、初任者研修を修了していると「介護の基本を理解している人」として採用時にプラス評価につながります。

さらに、訪問介護事業所(ヘルパーステーション)で働くホームヘルパーを目指す人にとっては、この研修が必須資格

将来のキャリアを考えても、まず最初に取っておきたい資格といえます。

まるこ

初任者研修は気軽に受講できるのが魅力ね!

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実務者研修はどんな資格?

「介護の経験がないけど、いきなり実務者研修って受けられるの?」と疑問を持つ方も多いと思います。

実は、実務者研修は初任者研修と同じように未経験・無資格の方でも受講できる資格です。

初任者研修が“入門編”だとしたら、実務者研修はその“ステップアップ版”!

カリキュラムの中には「介護過程の展開」や「医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養)」などが含まれていて、より実践に役立つ知識とスキルを身につけられます。

また、訪問介護事業所(ヘルパーステーション)でサービス提供責任者として働く場合や、将来的に 介護福祉士の国家資格を目指す場合には必須 の資格となります。

ここでよくある誤解が、「初任者研修を修了していないと、実務者研修は受講できない」というもの。

実際にはそんなことはなく、両者のカリキュラムには9科目の共通部分があるため、 初任者研修を飛ばして、いきなり実務者研修から挑戦することも可能 です。

つまり、これから介護の仕事を始めたい方にとって、実務者研修は「最初の一歩」にも「キャリアアップ」にもなり得る資格といえるでしょう。

てんぱまる

ぼくが講師をしているスクールには、老若男女さまざまな経歴の受講生がいるよ!

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実務者研修の受講をおすすめする人の特徴

ぼくの経験をもとに、初任者研修より実務者研修の受講をおすすめする人の特徴をまとめたものが下記の4つです。

1つずつ解説していきます。

【初任者研修より実務者研修の受講をおすすめする人の特徴】

  1. 介護福祉士の資格を取得したい人
  2. サービス提供責任者になりたい人
  3. 働き方や職場の選択肢を広げたい人
  4. 費用や時間をかけたくない人

介護福祉士の資格を取得したい人

実務者研修は国家資格である介護福祉士を受験するために欠かせない資格です。

無資格の方でも、介護職として3年以上の実務経験があれば、実務者研修を修了することで介護福祉士試験を受験できるようになります。

一方で、まだ介護経験がない方でも「将来的には介護福祉士を取りたい」という明確な目標があるなら、最初から実務者研修を受講するのもおすすめ!

すでに現場での経験があり、できるだけ早く介護福祉士試験にチャレンジしたい方にとっても、初任者研修を経由せずに実務者研修から始めたほうが近道といえるでしょう。

結局のところ、どちらの研修を選ぶかは「将来どんなキャリアを描きたいか」によって変わってきます。

自分の状況や目標を整理して、最適なスタートラインを見つけたいところです。

サービス提供責任者になりたい

実務者研修を修了していると、訪問介護事業所(ヘルパーステーション)で配置が義務づけられている「サービス提供責任者」として働くことができます。

サービス提供責任者、通称“サ責(させき)”は、ケアマネージャーとヘルパーの間に立って調整を行う、いわば橋渡し役のような存在です。

具体的には、ケアマネージャーが作成したケアプランをもとに「訪問介護計画書」を作成したり、ヘルパーが計画通りに支援できるように指導やサポートをしたりと、現場をまとめる大事な役割を担います。

  • 訪問介護事業所で責任ある仕事にチャレンジしたい
  • 早くキャリアアップしてステップアップしたい

そんな方には、実務者研修から学び始めるのがおすすめです。

働き方や職場の選択肢を広げたい

これまでも触れてきましたが、実務者研修は初任者研修の“上位資格”にあたります。

学べる内容もより実践的で、介護の現場ですぐに役立つ知識やスキルを身につけられるのが特徴です。

そのため、同じ未経験者であっても「実務者研修を修了している」というだけで、初任者研修修了者より一歩進んだ評価を受けやすくなります。

さらにうれしいポイントとして、実務者研修を修了していれば未経験からでも資格手当が支給されるケースがあり、結果的にお給料アップにつながることも!

実際に、初任者研修と実務者研修で資格手当に差をつけている施設や事業所は少なくありません。

つまり、実務者研修を修了していると 就職や転職で有利になりやすく、働き方や職場の選択肢も広がる というわけです。

これから介護の仕事を本格的に目指したい方には、心強い武器になる資格といえるでしょう。

費用や時間をかけたくない

ここまで読んできて気になった方もいると思いますが、「無資格でいきなり実務者研修を受ける場合」と「初任者研修を修了してから実務者研修を受ける場合」では、かかる費用や時間に違いがあります。

費用・時間の両面でメリットが大きいのは「無資格で実務者研修から受講する場合」です。

一般的な受講料の相場は、初任者研修で6〜8万円、実務者研修で10〜20万円ほど。

初任者研修を終えてから実務者研修を受ける場合、実務者研修の受講料は多少安くなりますが、初任者研修にかかった費用を含めてトータルで考えると、最初から実務者研修に進むほうが結果的に安く済むケースが多いです。

初任者研修を修了した人が実務者研修を受ける場合には、一部の科目が免除されて受講時間が約130時間短縮されますが、その一方で新しくスクールや通信講座を探したり、手続きや日程を調整したりと、思った以上に時間や手間がかかるのも事実……

とはいえ、「費用や時間よりも段階的にキャリアアップしたい」「いきなり本格的な学習に不安がある」という人は、無理せず初任者研修からスタートするのがおすすめ!

大切なのは、「なんとなく」で選ばずに、自分自身がどんなキャリアを描きたいのかをしっかり考えることです。

初任者研修・実務者研修を受講する際に注意すべきポイント

初任者研修・実務者研修を受講するにあたって、注意すべきポイントがいくつかあります。

ぼくが考えるポイントは下記のとおりです。

  • 自分に合ったスクール・通信講座の選択
    • スクールと通信講座のどちらを選択するか
    • スクール・通信講座の学習方針の確認
    • サポート体制の確認
  • 介護福祉士試験を見据えた計画的な学習
    • セット講座の検討
    • 受験日までのスケジュール確認
てんぱまる

ぼくが実際にスクールの講師を経験するなかで感じたポイントだよ!

自分に合ったスクール・通信講座の選択

実務者研修の学習を計画的に進めるには、自分に合ったスクール・通信講座を選択することが重要です。

「無資格で未経験の人」「無資格だけど介護経験のある人」「介護福祉士を目指したい人」など、その人の状況や考えによって、どのスクール・通信講座を選ぶべきかが異なります

スクールと通信講座どちらを選択するか

  • 「仕事をしながら受講する人」や「すでに介護経験のある人」は通信講座(通信学習+スクーリング)がおすすめ
  • 「無資格・未経験で休職中の人」はスクール(通学)がおすすめ

通信講座では購入したテキストを活用し、自宅で独り学習を進め、決められた期日までにレポートや課題を提出し、添削指導・評価を受けます。

「仕事をしながら受講する人」「すでに介護経験のある人」は実践的な知識があるため、通信講座(通信学習+スクーリング)でよいでしょう。

しかし無資格・未経験者にとって、介護の実践的な知識を自分のペースで学習していくことは、決して楽ではありません。

「無資格・介護未経験で休職中の人」は、講師の先生や同じ目標・境遇の受講生との接点・交流機会が多く、より効果的な学習に繋がることから、スクール(通学)を選択することをおすすめします。

通信講座を選択しても、スクーリング(介護過程Ⅲ、医療的ケアの演習)が必要であるため、「自宅から通いやすい場所か」については、必ず確認しましょう。

スクール・通信講座の学習方針の確認

介護経験が少しあることを前提としているスクール・通信講座と、まったくの未経験者にも配慮しているスクール・通信講座とでは学習方針が異なり、理解のしやすさが変化します

学習方針でわかりやすいのが、「修了試験」の有無です。

実務者研修では、全課程が修了する際に行われる「修了試験」は義務付けされていないため、「修了試験」を行うかどうかは、各スクール・通信講座に委ねられています。

独自で行う試験があった場合で、仮に不合格になったとしても、無料の追試験や受講期間の延長が可能な場合がほとんど……

スクール・通信講座を選ぶ際には、どのような学習方針なのか確認しておくと良いでしょう。

サポート体制の確認

スクール・通信講座によって、さまざまなサポート体制が用意されています

理解に苦しむ内容がある際に「質問しやすいか」「定期的に連絡をくれるか」など、途中で学習が滞らないためのサポート体制があるかどうかは、とても重要です。

スクール・通信講座は、自分の状況に合わせたサポート体制があるかどうかを確認しましょう

介護福祉士試験を見据えた計画的な学習

今現在、介護現場で働いている人や、すでに3年以上介護経験のある人の多くは、実務者研修の受講を終えた後、介護福祉士の取得を目指すでしょう。

実務者研修の学習内容は、介護福祉士試験の基礎となる知識・スキルです。

受講の際は介護福祉士試験を見据えながら、計画的に学習していくことが重要となります。

セット講座の検討

スクールや通信講座の中には、実務者研修と介護福祉士の受験対策講座がセットになったコースも用意されています

中には、介護福祉士国家試験を意識した通信課題や学習サポートを提供しているスクールもあり、「試験までを一気に見据えた学習」ができるのが特徴です。

もし将来的に介護福祉士の受験を考えているなら、こうしたセット講座を選ぶのもおすすめ。単独で受講するより料金がリーズナブルなケースが多く、費用面でもメリットがあります。

「どうせ受けるなら、効率よく準備したい」という方には、セット講座という選択肢は心強い味方になってくれるでしょう。

\ 独学で合格を目指したい人はこちら /

独学でも介護福祉士は受かる!合格者が実践した勉強法&落ちないための注意点

受験日までのスケジュール確認

実務者研修から受講する方の多くは、「できるだけ早く介護福祉士の資格を取りたい」と考えているのではないでしょうか……

そのためには、介護福祉士国家試験までを逆算してスケジュールを立てておくことが大切です。

介護福祉士試験を“実務経験ルート”で受ける場合には、実務経験3年以上+実務者研修の修了 が必須条件!

さらには試験が行われる1月下旬の前、12月31日までに実務者研修を修了しておく必要があります。

特に「すでに実務経験3年を終えており、その年度に実務者研修を受講して試験に臨みたい」という方は要注意!

実務者研修は修了までにおよそ6カ月ほどかかるため、しっかり余裕をもってスケジュールを組むことが欠かせません。

早めに受講をスタートすることで焦らず学習を進め、試験にも自信を持って臨めるはずです。

【まとめ】迷ったら実務者研修を受講せよ!

「どうしても迷って決められない」という人には、実務者研修の受講がおすすめ!

ただし、中には「いきなり本格的な学習はちょっと不安…」とか、「費用や時間よりも、段階を踏んでキャリアアップしたい」という方もいるはず……

そうした場合には、無理をせず初任者研修から始めるのが安心です。

特に他業種からの転職を考えている方や、無資格・未経験でこれから介護職を目指す方は、「なんとなく」「とりあえず」で資格を選んでしまうのは避けたいところ。

まずは自分が将来どんな働き方をしたいのかを考えて、福祉・介護分野でのキャリアデザインを描いてみることをおすすめします。

この記事がみなさんの資格取得やキャリアの後押しになればうれしいです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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地域密着型サービス外部評価調査員・実務者研修講師・介護認定審査会委員としても活動中。
保有資格はすべて一発合格。

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